今回はジャックロードでヴィンテージ時計の仕入れ・販売を担当するスタッフ高岡にインタビュー。
「時計屋に勤めて何年かすると、現行モデルよりヴィンテージのほうがよく見えてくる…という人は実はけっこう多いんですよ。」
と語る彼が、20年以上を誇るキャリアのなかで集めてきたヴィンテージウォッチのうち、特に重宝しているという3本を紹介します。ぜひ最後までお楽しみください。
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インタビューに答えてくれたのは…
高岡 陽
Yoh Takaoka
ジャックロードに入社して20年以上になるベテランスタッフ。現在は主にヴィンテージの仕入れ・販売を担当している。10年以上携わってきたヴィンテージ分野には特に造詣が深く、自身の歴代愛用時計もほとんどがヴィンテージというこだわり派。CWC上級ウォッチコーディネーター資格保有。
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▲所有している1970年代のロレックス デイトジャスト Ref.1600
―― 今回のインタビューはヴィンテージ担当の高岡さんということで、ご自身で愛用している時計のうちヴィンテージウォッチを3本持ってきていただきました。
ロレックスのデイトジャスト、ワックマン、ウィットナーというラインアップのうち、最も活躍頻度が高いのはどの時計ですか?選んだきっかけや、気に入っているポイントなどを教えてください。
高岡 一番使いやすいのは、ロレックスのデイトジャスト Ref.1600ですね。5年くらい前に、わりと衝動的に買いました。
ステンレス製ドームベゼルの個体は数が少ないんです。(フルーテッドベゼルの)Ref.1601に比べると体感で10分の1か、それよりもっと少ないくらいかな?
デイトジャストといえばギザギザしてなんぼっていう感じがあるけど、この時計はデイトジャスト感が薄くて、そこが逆に気に入ったんですね。個体数が少ないわりに注目されすぎてなくて、いろいろ控えめなところが着けやすいんです。
あと、オリジナルの黒文字盤というのも珍しかった。だいたい8~9割がシルバー文字盤で、黒と青の文字盤は出回りにくいかな。
▲「よく見ると実はロレックス」くらいのさりげなさが気に入っているそう
高岡 私はヴィンテージ担当として接客させていただく機会が多いのですが、この時計をしていると(さりげなく珍しいディテールを備えているからこそ)お客さまとお話しするきっかけになりやすいんですよ。
やっぱりヴィンテージでもロレックスのスポーツモデルを探している方が多いので、スポーツ以外のモデルにも目を向けてもらえるきっかけになれば…参考にしていただきやすいように着けているというのもあります。
自分の腕回りは18cmでスタッフのなかでも太いほう。本当はロレックスのバブルバックなど小振りの時計を着けたかったんですが、残念ながら腕に似合わず。この時計は36mm径で袖口にきれいに収まるし、腕にも小さすぎず気に入っています。
▲最も活躍頻度の高いロレックス デイトジャスト Ref.1600
高岡 とはいえ、実は若いころはロレックスを敬遠していたんですよ。当時は「みんながしているブランドを選ぶのは面白くない」とか思っていました(笑)。でも、長年いろいろ試した挙句、ロレックスやっぱりいいな、と思いまして。特にヴィンテージになると、ロレックスは光りますねぇ。
ロレックスは古い時計でも作りがしっかりしていて、修理しながら使えるのも安心だし、とにかくいい時計がいっぱいある。ヴィンテージウォッチを検討するなら、まずロレックスが間違いなく買いやすいんじゃないですかね。
▲愛用のワックマン(右)とウィットナーのクロノグラフ(左)
―― ほかの2本、ワックマンとウィットナーはどんないきさつで選ばれたのでしょう?
高岡 ワックマンは20年くらい前に買った、非常に付き合いの長い時計です。カラフルなデザインが目に留まって、当時あまり深く考えずに買ったんですが、これが意外とよかったんですねぇ。
5色のカラーがオリンピックみたいで、オリンピックイヤーには出番が増えます。ワックマンはブライトリングが北米市場向けに展開していたブランドで、そういう歴史的な面白味とか、今ではなかなか手に入らないようなところに惹かれるんですよ。
ウィットナーのほうは、ヴィンテージ担当になってだいぶ目が肥えてから買いました。このベゼルの褪色感が気に入ったのと、針先についているドットが大きくて何だかいいじゃないですか。
この時計はランデロンの機械式ムーブメントを搭載しているんですが、ランデロンのクロノグラフはスタート、ストップ、リセットの操作が他の機械と違うので、そこもちょっと面白いんですよ…っていうと、ちょっと時計屋っぽいでしょう?(笑)
▲クロコダイル、牛革、オーストリッチなど、さまざまな素材やカラーのベルトを合わせて愉しむのも、また一興
▲シーンによって時計やベルトを使い分けるのがおすすめ
高岡 もちろん自分のなかでベストの組み合わせはあるんですが、ベルトが変わると印象もけっこう変わるので、いろいろローテーションして楽しんでます。
デイトジャストは基本的にブレスレットで着けてますが、冬場などにジャン・クロード ペランあたりのちょっといい革ベルトに付け替えると、高級感が出てこれがまた良い雰囲気になるんですよ。ただ、シルバー系のダイヤルのほうが、ベルトのコーディネートは(合わせやすくて)楽しいかもしれないですね。
―― ヴィンテージウォッチのどんなところに魅力を感じていますか?
高岡 そうですね…価値観が1つじゃないところでしょうか。人によってどこに良さを感じるかが全然違うから、自分の感性に響くものを買えばいいというシンプルなところがいいですね。
現行モデルはみんな同じ形してるんですねぇ。同じ型番で同じモデルだから当たり前なんですけど、時計屋に勤めて何年かすると、現行モデルよりヴィンテージのほうがよく見えてくる…という人は実はけっこう多いんですよ。
新品は補充がきくし、それの中古もよく扱うんですけど、ヴィンテージは経年変化の味わいや個体差があって、1つとして同じ表情のものがない。だから気になる1本に出会った時は、その瞬間にかなり心が揺さぶられます。
褪色した雰囲気のあるベゼルが、着こなしにもニュアンスを与えてくれる
―― 来店されるお客さまは、どんなヴィンテージを探されている方が多い印象ですか?
高岡 今だと、さっき言ったみたいにロレックスのスポーツモデルで珍しいものとか、あとはデイトジャストやオイスター パーペチュアルでちょっと珍しいもの、雰囲気があるものが欲しいという方が圧倒的に多いですね。
昔のヴィンテージのコレクターみたいに、「面白いからこれちょうだい」みたいな買い方のお客さまはずいぶん少なくなった気がします。
もちろん資産価値的なことで型番から検討に入るのもありですし、私としては(ベースとなる)時計は良いものを買っておいて、知名度はなくても自分が面白いと思える時計を2~3本レパートリーに混ぜておくのがいいと思いますよ。幅が広がって、趣味としても遊べるのでおすすめです。
腕元の相棒として20年以上も連れ添っているワックマン
―― それでは、最後にいつかほしい憧れの時計があれば教えてください。
高岡 ブライトリングのナビタイマーで、ムーブメントにバルジュー72を搭載しているモデルが入ってきたら、ぜひ欲しいですねぇ。バルジュー72はまだ持ってないんですよ。
パテック フィリップもいつかは…という気持ちはあるけど、まだまだ身の丈に合わない気がして。今使ってるような時計のほうがずっと腕にしっくりきてますからね。60才を過ぎて自分がパテックの時計を着けても違和感を感じないと思えたら、その時は検討したいですね。
ブライトリング ナビタイマー1st ヴァルジュー72 Ref.806
―― ありがとうございました!
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