腕時計の機能で最も一般的なものが日付表示(デイト機能)です。世界で初めて3時位置に日付表示を備えたデイトジャストを原点に、数多くの腕時計に装備されてきた機能といえるでしょう。
その一方で近年、増加傾向にあるのが日付なし(ノーデイト、ノンデイト)の腕時計です。今回はそんな日付なしの時計に着目し、その魅力と代表的な腕時計をご紹介していきたいと思います。ぜひ、最後までご覧ください。
グランドセイコー ヘリテージ コレクション 44GS現代デザイン Ref.SBGW297
日付表示が進化を果たしている一方で、原点回帰ともいえるのが日付なしの時計です。多くの機能を擁する腕時計が増えたことによるアンチテーゼとして、日付が付かない腕時計が静かな人気を集めてきました。
ひと昔前とは異なり、現在はスマートフォンを持ち歩いている方がほとんどです。そのため日付表示の必要性を感じない方が多くなってきたことも要因の1つと考えられます。そこで、日付なし時計の魅力を以下に3つ、あげてみました。
ロレックス デイトジャスト 36 Ref.126234
実用性に優れているものの、デザインでは好みが分かれるサイクロップレンズ
多くの日付表示モデルは3時位置に装備するため、どうしてもアシンメトリーなデザインとなります。特にロレックスは日付表示を拡大するサイクロップレンズに好みが分かれます。
オメガ シーマスター アクアテラ コーアクシャル マスター クロノメーター Ref.220.10.41.21.03.001
新世代アクアテラは3時位置から6時位置に日付表示が移動
日付表示がない時計は、シンメトリーなデザインがスッキリとした印象を持つことで、選択するユーザーも少なくないようです。また、日付付きのモデルにおいても、近年は6時位置に装備される腕時計も増えています。この理由として考えられるのが、シンメトリーなデザインを実現することなのではないでしょうか。
ジャガー・ルクルト マスター コントロール カレンダー Ref.Q4148120
トリプルカレンダーなどの多くは、ケース横にあるボタン(写真赤枠)に、調整ピンをプッシュすることで設定を変更する
日付なし時計の最も魅力的な部分は、日付を調整することなく着用できることです。複数の時計を所有されている方の場合は、その都度時刻や日付調整をしなくてはなりません。
例えばトリプルカレンダーモデルは、ケース横に設けられたボタンを調整ピンでプッシュすることでそれぞれの設定を変えることが可能ですが、急いでいるときや出先での変更は行いたくないものです。
それであれば日付が付かない時計の方がすぐに着用できるのがメリットといえるでしょう。
ブライトリング スーパー クロノマット B01 44 Ref.AB0136161C1A1
ブライトリング・キャリバー01搭載モデルは、24時間いつでも日付を変えることが可能
日付表示付きの時計で意外と多いのが日付表示の故障です。一部の腕時計以外では、日付変更禁止時間帯が設けられています。その禁止時間帯に無理やり日付表示を変更することで故障してしまうケースが多々あります。
他にも日付表示がずれてしまう場合も。「機能が増える=故障個所が増える」となるため、日付表示のない時計にはその心配はありません。
ロレックス デイトジャスト Ref.6105
日付なしの時計の魅力を述べてきましたが、日付表示は時計技術の進化の賜物です。先に述べている通り、文字盤上に小窓で日付を表示した世界初の腕時計は1945年に登場したデイトジャストです。デイトジャストの登場以前は日付表示が付かない腕時計が多くを占めていました。
その後は多くのメーカーから日付表示が付いた腕時計が誕生していきます。
小窓で表示する日付以外にも、文字盤外周に日付が入り、それを針で指すポインターデイト式や、A.ランゲ&ゾーネに代表される大型の日付表示であるビッグデイトの登場と、腕時計における日付表示の歴史は進化してきました。
こちらの記事もおすすめです▼
腕時計業界のここ数年のトレンドともいうべき日付なしの腕時計。そのメーカーの主要コレクションとして登場するほど、日付なしの腕時計を見る機会が増えてきている状況です。ここからはそのなかでも注目しておきたい、日付なしの腕時計をピックアップしてご紹介します。
グランドセイコー エボリューション9 コレクション 白樺 Ref.SLGW003
グランドセイコーの次世代ムーブメントとして2020年に登場したcal.9SA5。内外の時計愛好家から称賛されたムーブメントですが、グランドセイコーはさらにこのムーブメントを手巻き化したcal.9SA4を発表しました。
手巻き用に改良されたムーブメントには日付機構は搭載はされていません。また日付表示を備えないため、白樺の樹皮をモチーフとした文字盤の美しさがより際立っているといえるでしょう。
IWCを代表するコレクションの1つであるポルトギーゼ。多彩なバリエーションを誇るIWCの主力コレクションですが、そのなかでも人気を牽引しているのがポルトギーゼ・クロノグラフと、新たに加わったポルトギーゼ・オートマティック40です。
ともに日付表示はされておらず、シンメトリーかつクラシックなデザインで幅広いユーザーから人気を集めています。
ここ数年、マスタークロノメーター化を着実に進めているチューダーですが、同社の主力コレクションであるブラックベイも一部を除き、時刻表示に特化した日付なしモデルが中心となりはじめています。
特にブラックベイはチューダーの過去のモデルを基にしていることもあり、日付が付かないデザインがより当時の雰囲気を演出できる点も、日付が付かない要因なのかもしれません。
ここからは日付表示が付かない代表的な腕時計をご紹介していきます。一部の腕時計を除き、半世紀以上にわたり歴史を積み重ねてきた腕時計が揃います。
1953年に誕生して以来、ほとんどそのデザインを変えていないエクスプローラー。派生モデルとしてエクスプローラー デイトが誕生したものの、短命で終わっています。その後、現在に至るまでエクスプローラーの日付付きモデルは登場しておりません。
ところが、2021年にエクスプローラーのイエローロレゾール(コンビ)が突然登場した経緯もあることから、今後バリエーションモデルとして登場する可能性も「0」とはいえないでしょう。
エクスプローラーと同様に1953年に誕生しているサブマリーナー。1965年ころに派生モデルとしてサブマリーナー デイトが誕生しています。日付表示を備えた上位モデルのサブマリーナー デイトは、短命で終わったエクスプローラー デイトとは異なり、現在も生産されています。
高い防水性能と実用性が組み合わされたサブマリーナー デイトはビジネスシーンで使用される方も多く、当店ジャックロードのランキングでも常に上位に位置し続けているほどです。
1963年に誕生したコスモグラフ デイトナ。当初はバルジュー社製の手巻きムーブメントを搭載していたものの、1988年に自動巻きムーブメントへと進化。そのムーブメントの基に使用したのが、1969年にゼニスが開発したエル・プリメロであることは多くのユーザーが知るところです。
ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.16520
エル・プリメロは日付表示付きであったものの、ロレックスはあえて取り外しました。おそらく計測することを目的としたコスモグラフ デイトナに、日付表示は不要と判断したのでしょう。
その後、自社で開発したcal.4130にも当然のように日付表示は装備されていません。エクスプローラーやサブマリーナーのように派生モデルが一度も登場していないのもコスモグラフ デイトナの特徴ともいえるでしょう。
1957年に登場して以来、オメガを代表するコレクションとして牽引してきたスピードマスター。原点ともいえるスピードマスター プロフェッショナルは現在までにその姿をほとんど変えていない完成されたデザインをまとい、進化してきました。
3つのサブダイヤルを備えたデザインに、世界で初めてベゼルにタキメーターを配したモデルとしても知られています。派生モデルには日付表示付きをはじめ、曜日表示、ムーンフェイズと多彩な機能が付加されたバリエーションが登場しています。
軍用時計をルーツとするパネライのなかで、最もシンプルでタフなモデルがルミノールベース ロゴとルミノールベースです。ともに日付表示は装備されず、12、3、6、9のアラビア数字とバーを組み合わせた、パネライらしいシンプルなデザインが特徴です。
ムーブメントには現在では少数派ともいえる手巻きムーブメントを搭載。パネライの原点を感じさせるモデルとして、現在も根強い人気を誇ります。
グランドセイコー エレガンス コレクション 御神渡り Ref.SBGY013
フランス語で「優雅」、「気品」を意味する、エレガンスコレクション。グランドセイコーの持ち味である「実用性」を保ちつつも、1ランク上の品を漂わせています。多彩なバリエーションが展開されているエレガンスコレクションですが、人気の中心は日付が付かないノンデイトモデルです。
季節の移ろいを文字盤上に再現する技法は、近年のグランドセイコーに多く見られるもの。日付表示を付けないことで、文字盤の全てに型打ち模様が表現されていることも人気の要因といえるでしょう。
いかがでしたか?
今回は日付なしの時計を中心に解説してきました。日付の有無により、時計の表情は大きく変わります。日付表示のあり・なし、どちらが好みでしょうか?
ぜひ今回の記事を参考に考えていただけたら幸いです。
当店ジャックロードでは今回紹介した日付なしの時計以外にも多くの腕時計を取り扱いしています。お気に入りの1本を見つけてください。
こちらの記事もおすすめです▼
【パーペチュアルカレンダー】伝統的な複雑機構の仕組みとは?
腕時計に搭載される機構は数多くありますが、なかでも複雑かつ高度な技術を要する種類は世界三大複雑機構と称されます。その1つに数えられるのが… 続きを読む
ジャックロード(JACKROAD)
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3F
JR中野駅北口徒歩5分
電話 [店舗]
03-3386-9399
[通販]
03-3389-1071
営業時間 11:00~20:30
店舗案内は
こちら
オンラインストアは
こちら
業界最大手!全国屈指の品揃えを誇るメンズブランド腕時計専門店ジャックロード。創業30年以上の実績と信頼を誇る、並行輸入店の草分け的存在です。東京・中野ブロードウェイ3Fに店舗があり、ブランドジュエリー&バッグ店舗、姉妹店であるレディース腕時計専門店ベティーロードも併設されているため、ご家族やご友人同士でご来店いただいてもみなさまにお楽しみいただけるラグジュアリー空間となっております。
半個室の商談スペースもあり、小さなお子さま連れのお客さまもゆったりとご覧いただけます。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
※店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。
また、ジャックロードは店舗に直接ご来店いただくことが難しいお客さまにも快適なショッピング体験をご提供するべく、オンラインストア事業に力を入れております。オンラインストア限定のサービスやクーポンもございますので、ぜひあわせてご利用ください。
当店の大手ショッピングモールにおける受賞歴は こちら からご覧いただけます。