1847年、フランス・パリにてルイ=フランソワ・カルティエによって創業されたカルティエ。現代では五大ジュエラーの一角を担うラグジュアリーブランドとして、世界に名を轟かせています。
そんなカルティエが生み出してきた腕時計のなかでも、今ファッション感度の高い層を中心に注目を集めているのが、1919年から続くカルティエの名品、タンクシリーズのヴィンテージです。
当時の雰囲気を味わえる、趣深い経年変化をしたヴィンテージ。タンクのクラシカルなデザインとも相まって、コーディネートに大人の雰囲気を与えてくれます。
今回は長きにわたり愛され続けている、タンクシリーズにフォーカス。後半ではタンクを着けたコーディネートもご紹介しますので、ファッション好きも必見です。ぜひ最後までご覧ください。
サントスに続き生み出された角型時計タンク
カルティエ タンクは、1919年に誕生したスクエア(レクタンギュラー)型の腕時計のことを指します。ラグとケースサイドが一体化した、ベゼルのないデザインが特徴です。数ある名品を世に送り出してきたカルティエのなかでも特に高い人気を誇るシリーズとして知られています。
ここからは、タンクの歴史を深堀りしていきます。
タンク ルイ カルティエ SM Ref.W1529856
画像は現行のタンク ルイ
発売当初からケース、ダイヤルなどのデザインを大きく変えることなく製造され続けている
タンクシリーズの原型となる最初の「タンク」が誕生したのは1917年のこと。創業一族の3代目ルイ・カルティエが第一次世界大戦時、ルノー製の戦車「FT-17」の平面設計図から着想を得てデザインしたといわれています。
その名の通り、文字盤が車体を、縦に伸びた2本の枠の間にラグを一体化させたフォルムがキャタピラーを表現。直線と曲線を組み合わせたデザインは、アール・デコ様式の先駆けとして高く評価されました。
タンクノルマル(ノーマル) Ref.-
画像は針、ガラスが交換済の個体
発売当初のタンク ノルマル(ノーマル)は、針にブレゲ針を使用
タンクが実際に商品化されたのは2年後となる1919年。発売されると、瞬く間に世界中のセレブリティーを魅了し、タンクをこよなく愛する人々のことを表す「タンキスト」という言葉まで生まれました。以降100年以上もの間、大きくデザインを変えることなく愛され続けています。
マストタンクL Ref.-
ここからは、タンクシリーズのなかでもヴィンテージ、ポストヴィンテージに位置するコレクションを厳選してご紹介します。
タンク ルイ Ref.82720553
その誕生は1922年と、名品が揃うカルティエ タンクシリーズのなかでも古い歴史を持つタンク ルイ。ケース素材に18Kゴールドやプラチナといった貴金属のみを、りゅうずに人工石のスピネルではなく天然石のサファイアを使用した、最高峰のコレクションとして君臨しています。
他にもギョーシェ彫りが施された文字盤や丸みを帯びたドレッシーなケースフォルムなど、高級機として相応しい仕様が反映されています。創業者ルイ・カルティエ自らも愛したこだわりの逸品です。
タンク ノルマル(ノーマル) Ref.-
タンク ノルマル(ノーマル)は1919年に発表された、タンクシリーズの原型となるコレクション。先ほどご紹介したタンク ルイのベースにもなっています。タンク ルイ カルティエよりも角ばったケースフォルムは、戦時中に軍隊の将校の腕にはめられた「戦車の両輪」をイメージしています。
戦車のキャタピラーから着想を得ているだけあって、サイドから見ると厚みがあり、力強さを感じさせるデザインです。一部のタンキストからは「タンク ノルマル(ノーマル)こそオリジナル」と称される、歴史的名品です。
2023年にはメゾンの伝説的モデルを称えリバイバルさせる特別なコレクション、「カルティエ プリヴェ」に満を持して登場しました。
マストタンクS Ref.-
1970年当時、王侯貴族のためのブランドというイメージが強かったカルティエ。そんななか、顧客を一般層にも拡大するために生み出されたのが、マストタンクです。
洗練されたデザインや高級感はそのままに、シルバー925をベースに20ミクロンの厚い金張りを施す「ヴェルメイユ手法」をケースに採用することで、価格を抑えることに成功しました。
「美を愛する人に不可欠の持つべきもの」という意味が込められているマストタンク。ルノー製の戦車から着想を得たカルティエ タンクシリーズの真髄を手軽に楽しむことができるコレクションとして、世界中で愛されています。
マストタンクM Ref.-
ここまではタンクシリーズについて解説しました。
先ほど解説したタンクシリーズのなかでも、「ヴィンテージのタンクといえばやっぱりマストタンク!」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
ここからはファッションアイテムとしても高い人気を誇り、数多くのバリエーションをラインアップしているマストタンクに焦点を当てて、ご紹介していきます。
マストタンクのサイズ展開
マストタンクのケースサイズは全部で4種類。当店ジャックロードでは、小さい方からS、M、L、LLサイズとしています。
最も一般的な大きさかつクラシックなSサイズ、流通量は多くないものの使い勝手抜群のMサイズ、流通量が多くデザインも豊富なLサイズ、デイト表示や秒針がついた実用性の高いLLサイズなど、それぞれのサイズに異なる魅力があります。
マストタンクのケースサイズ
先ほどご紹介した4つのサイズについて細かく解説します。
М、Lサイズにおいてはそこまでサイズに差はありませんが、SからМサイズ、LからLLサイズにアップさせる場合は腕元の印象が大きく変わります。特にLLサイズは秒針やデイト表示が追加されるなどダイヤルデザインと機能も他サイズとは異なるため、購入を検討する際は意識すると良いでしょう。
※長く生産されていたコレクションのため、生産時期や個体によってケースサイズに多少の誤差がございます。
マストタンクのダイヤルバリエーション
豊富なダイヤルバリエーションが存在するマストタンク。ブランドロゴのみを配したシンプルなモデルから、クラシカルなローマンインデックスを採用したモデル、細かい装飾が施されたモデルなど、多種多様な顔を持っています。
さまざまなデザインが存在するからこそ、出会いは一期一会。豊富なラインアップのなかから、自分にとって理想的なデザインを見つけられた時の喜びは格別です。
マストタンクL Ref.W1008254
ここまで、マストタンクのサイズ展開やダイヤルのバリエーションをご紹介してきましたが、「実際に着用するとどんな感じなの?」と気になる方もいらっしゃることでしょう。
ここからは服好きスタッフ・奥村がマストタンクをサイズ別に着用していきます。ぜひ参考になさってください。
マストタンクS Ref.-
こちらは、ブラック文字盤にローマンインデックスを組み合わせた定番デザインのマストタンク。1970年代のヴィンテージモデルでありながら、コンディションは比較的良好です。ベルトは、当店オリジナルのクロコダイル素材のレザーストラップへと変更されています。
ヴェルメイユ手法が採用されたケースは、経年によって表情が変化しています。
手首周り15cmのスタッフが着用
手首周り15cmのスタッフが着用するとこのようなイメージです。ブラックの文字盤、レザーストラップとゴールドのケースのコントラストが腕元で控えめに主張します。上品なフェイスは、シャツの袖元からチラッと見えるたびに見惚れてしまうことでしょう。
カルティエ マストタンクM アクアリーノ Ref.W1018687
こちらは2004年のクリスマス限定で4500本のみ販売された、マストタンクM。ピンクローマン文字盤に施されたひし形の装飾がアクセントになっています。文字盤のバリエーションの多いマストタンクの中でも、クリスマス限定文字盤は希少性が高く、コレクター心をくすぐるアイテムです。
文字盤に施されたひし形の装飾が装いのアクセントに
手首周り15cmのスタッフの着用イメージがこちらです。Sサイズと同様、控えめなサイズ感でさりげないおしゃれを愉しむことができます。
こちらは比較的流通量の少ないMサイズかつ本数限定の限定デザインのため、所有欲も満たしてくれるでしょう。
スタッフ 奥村:
ケース径が29.5×22mmと華奢なМサイズは、シャツの袖元にもすっきりと収まります。スタンダードな白シャツと合わせても良し、写真のように黒シャツの差し色として合わせても良し。淡いピンクカラーの文字盤はどんなアイテムにも違和感なく馴染みますよ。
マストタンクL Ref.-
こちらはローマ数字とバーを組み合わせたインデックスが洗練された雰囲気のマストタンクL。先ほどご紹介したマストタンクSと同様、ケースにはヴェルメイユが施されています。文字盤はホワイトとグレーのコンビで、こちらも目を惹くポイントです。
ベルトはオリーブのクロコダイル製レザーストラップに変更。文字盤のグレーとの相性も抜群です。
手首周り15cmのスタッフが着用
手首周り15cmのスタッフの着用イメージがこちら。ケース径30×23mmと、Sサイズと比較すると存在感がアップしたマストタンクLですが、マストタンク特有のクラシカルな佇まいは健在です。ゴールドのジュエリーを組み合わせることで、エレガントな雰囲気がより一層惹きたちます。
スタッフ 奥村:
文字盤、ケース、ベルト、りゅうずと全て使用している色が異なる個体ですが、どれも落ち着いたカラーリングで統一感があります。今回のようなシャツ以外に、夏はシンプルなTシャツ、冬はハイゲージのニットでも合いそうです。季節やシーンを問わず着用できるって魅力的ですよね。
マストタンクLL Ref.W1013754
こちらはホワイトローマンCC文字盤を採用したマストタンクLL。レイルウェイ目盛りの内側には、Cと反転させたCを重ねた、カルティエを象徴するロゴマーク「ダブルC」が刻まれています。アール・デコの様式美を感じられる直線的な角型ケースと、丸みを帯びたりゅうずの組み合わせも秀逸です。
手首周り15cmのスタッフが着用
手首周り15cmの細腕スタッフが着用するとこのようなイメージです。先ほど解説した2モデルと比較するとより存在感があります。LLサイズはケース径が33.5×25.5mmとマストタンクのなかでは大型のため、平均的な手首サイズの男性でも問題なく着用できます。
ヴィンテージのマストタンクとオーソドックスな白シャツの組み合わせは間違いありません。時代に左右されない普遍的なファッションを楽しむことができます。
スタッフ 奥村:
今回は柄や装飾がない白シャツでコーディネートしました。マストタンクを着用すれば、シンプルなアイテムを組み合わせたコーディネートも上品な雰囲気に様変わりします。大人のワードローブにぜひ加えていただきたい逸品です。
自分好みのタンクを身に着ければ、晴れて “タンキスト”の一員に
いかがでしたか?
今回はカルティエのヴィンテージ タンクについて解説しました。当店ジャックロードでは、今回ご紹介したモデル以外にもヴィンテージのタンクを数多く取り揃えております!
これを機に、あなただけの1本を探してみてはいかがでしょうか?
ジャックロード(JACKROAD)
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業界最大手!全国屈指の品揃えを誇るメンズブランド腕時計専門店ジャックロード。創業30年以上の実績と信頼を誇る、並行輸入店の草分け的存在です。東京・中野ブロードウェイ3Fに店舗があり、ブランドジュエリー&バッグ店舗、姉妹店であるレディース腕時計専門店ベティーロードも併設されているため、ご家族やご友人同士でご来店いただいてもみなさまにお楽しみいただけるラグジュアリー空間となっております。
半個室の商談スペースもあり、小さなお子さま連れのお客さまもゆったりとご覧いただけます。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
※店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。
また、ジャックロードは店舗に直接ご来店いただくことが難しいお客さまにも快適なショッピング体験をご提供するべく、オンラインストア事業に力を入れております。オンラインストア限定のサービスやクーポンもございますので、ぜひあわせてご利用ください。
当店の大手ショッピングモールにおける受賞歴は
こちら
からご覧いただけます。
スタッフ 奥村:
ケースサイズが27×20.5mm、ベルト幅が15mmと小ぶりなマストタンクSは、女性はもちろん、細腕の男性にもおすすめです。黒金の組み合わせは、個人的には合わせにくいイメージがありましたが、端正なデザインのおかげで問題なく着用できました!普段愛用しているゴールドのジュエリーとも色味がマッチしていますね。