腕時計を見なくても、音で時刻を知ることができたら便利ですよね。そんな便利な腕時計がミニッツリピーターです。
スマートフォンやデジタル腕時計であれば、電子プログラムで簡単に音を鳴らすことが可能ですが、機械式時計には電子がありません。では、機械式腕時計ではどのように音を鳴らしているのでしょうか？
今回はそんなミニッツリピーターの仕組みについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
機械式時計において三大複雑機構の1つに該当するのがミニッツリピーターです。トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーより、その歴史は古く、17世紀後半に発明されました。その後、アブラアン-ルイ・ブレゲが改良を重ね、現在のミニッツリピーターの原型を作ったとされています。
ミニッツリピーターの最大の特徴は「鐘を鳴らして時刻を告げる」ことです。時は高い音、分は低い音に分類され、文字盤を見なくとも時刻を判断することが可能です。そのため、夜間でも時刻を知ることができ、かつ目の不自由な方も重宝する実用性の高い機構でした。
現在では実用性よりも、嗜好性を強めた機構として搭載されています。また、このプログラムを機械で設定するためには熟練職人の高度な技術を要するため、価格も高価な設定になってしまいます。それでも、その価格を凌駕する、美しい音色に惹かれる時計愛好家は後を絶ちません。
パテック フィリップを代表するミニッツリピーター搭載のムーブメント、cal.R 27 PSを例に、ミニッツリピーターの仕組みを解説します。時刻を判別する機構は文字盤の下側に配置されています。そこから導き出された時刻が裏面にあるアワーハンマー(画像①)、ミニットハンマー(画像②)に伝わり、それぞれ任意の時刻に外周のハンマー(画像③)を鳴らします。
ハンマーの叩く音や取り付け方によっても音色が変わるため、熟練職人による繊細な調整が欠かせません。美しい音色は以下の動画でご覧ください。
セイコー クレドール ノード スプリングドライブ ソヌリ Ref.GBLQ998
ソヌリは30分、1時間毎に自動で音を鳴らしてくれる機構になります。教会や学校のチャイムを思い描いていただければお分かりになるでしょう。時間の配分によりネーミングが異なり、30分毎がプチソヌリ、15分毎がグランドソヌリです。
常にパワーリザーブが巻かれていることが前提ですが、美しい音色を自動的に奏でるため、時の経過が愉しくなる仕様です。しかしながら、ミニッツリピーターより複雑になるため、非常に高価であり、メンテナンス費用も高額になります。
こちらのセイコー クレドール ノード スプリングドライブ ソヌリは、セイコー独自駆動であるスプリングドライブを心臓部に、3つのモードを搭載。毎正時に鐘の音で時数をカウントするソヌリモード、3時間毎に3回鐘を打つオリジナルモード、音を鳴らさないサイレントモードが備わります。
その複雑な作りはセイコーエプソン内に構える、複雑時計を専門に取り扱うマイクロアーティスト工房で組み上げられています。
技術力が伴わないと製造するのが難しいミニッツリピーター。そのため、ミニッツリピーターを製造していることは、高い技術力があってこそともいえます。ここからは世界三大時計ブランドの代表的なミニッツリピーターモデルをご紹介いたします。
三大複雑機構において、最も得意とするブランドがパテック フィリップです。パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーターは他ブランドの追随を許さないほど、多くのモデルを生み出してきました。ちなみにパテック フィリップではミニッツリピーターではなくミニット・リピーターと呼ばれます。
そんなパテック フィリップだけに、世界三大機構を全て搭載したモデルも生産されています。それが、グランド・コンプリケーション ミニット・リピーターこと、Ref.5207G-001です。
ケース左側に備えられたスライドレバーの装備から、ミニッツリピーターが搭載されていることや、12時位置に扇形にレイアウトされたカレンダーからもパーペチュアルカレンダーが備わることが確認できます。トゥールビヨンのキャリッジはケースバックから、その特徴的な動きが確認できます。
557個もの部品で組み上げられた、パテック フィリップを代表する複雑機構モデルです。
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ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー ミニッツリピーター 永久カレンダー Ref.30020/000P-7596
世界三大時計ブランドの一角を担うヴァシュロン・コンスタンタン。その歴史は古く、創業は1755年と、260年以上にわたり歴史が途切れず現在までブランドを継続している稀有なブランドです。そんなヴァシュロン・コンスタンタンにも、当然のように複雑モデルはラインアップされています。
今回、ピックアップしたのは同社を代表するドレスウォッチコレクションであるパトリモニーの名品。わずか50本のみが生産されたレアピースモデルです。ミニッツリピーターに加え、パーペチュアルカレンダーを組み合わせたコンプリケーションは、ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史に残る逸品といっていいでしょう。
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パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンと同様に世界三大時計ブランドの一角であるオーデマ ピゲ。ラグジュアリースポーツ(通称ラグスポ)ウォッチの起源であるロイヤル オークが人気のオーデマ ピゲにおいて、知る人ぞ知る名コレクションがジュール オーデマです。
創業者の1人であり、技術部門を支えたジュール=ルイ・オーデマの精神を投影したコンプリケーションモデルがこちらの、ジュールオーデマ ミニッツリピーター トゥールビヨン クロノグラフです。世界三大複雑機構のミニッツリピーター、トゥールビヨンを搭載。両面スケルトン仕様であるため、その精密な動きが堪能できる芸術品です。
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いかがでしたか？
今回はミニッツリピーターについてご紹介しました。神秘的な美しい音色にロマンを感じさせてくれる、時計好きならいつかは手に入れたい至極の逸品ですね。
ミニッツリピーター以外にも当店ジャックロードは魅力的な腕時計を多数取り扱いしています。ぜひお気に入りの1本を探してみてはいかがでしょうか。
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