【パーペチュアルカレンダー】伝統的な複雑機構の仕組みとは？

腕時計に搭載される機構は数多くありますが、なかでも複雑かつ高度な技術を要する種類は世界三大複雑機構と称されます。その1つに数えられるのが、パーペチュアルカレンダーです。

カレンダーという名称ゆえに、機能はイメージしやすいことでしょう。しかし、一般的なカレンダー付きの腕時計との違いについては分からない方も多いと思います。

今回はそんなパーペチュアルカレンダーについて詳しくご紹介しながら、代表的なカレンダー機構についても解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

パーペチュアル(永久)カレンダーとは

パーペチュアルカレンダーはミニッツリピーター、トゥールビヨンと並ぶ、機械式時計の世界三大複雑機構の1つに数えられています。常に腕時計を稼働させている状況であれば、閏年も関係なく自動で日付の調整を行ってくれる仕組みです。複雑な構造のため、ブランドの最上位モデルに採用される場合が多く、ブランドの力量も試される機構ともいえます。

腕時計の日付表示は31日で構成されています。そのため、30日や閏年の月は手動で日付を修正しなくてはなりません。ところが、パーペチュアルカレンダーは手動修正が不要(※歴の関係上、100年に1度の手動調整は必要)です。そのため、「永久」、「永遠に」を意味するパーペチュアル(perpetual)の名称が付けられています。

腕時計にパーペチュアルカレンダーを初めて搭載したのが1925年に製作されたパテック フィリップのNo.97975です。このノウハウをベースとして、パテック フィリップは数々の傑作パーペチュアルカレンダーを生みだしていきます。

アニュアルカレンダー(年次カレンダー)との違い

英語で「年間の」「年1回の」の意味を持つアニュアル(annual)がネーミングされたアニュアルカレンダー(年次カレンダー)。その名の通り、3月1日のみ手動で日付調整を行わなくてはならないものの、それ以外は自動で日付修正を行う機構です。通常のカレンダー搭載モデルの上位機構の位置付けとなります。

パーペチュアルカレンダーほど複雑な機構ではないため、当店ジャックロードで取り扱う商品の場合、20万円台から選択することが可能です。

その歴史は浅く、1996年にパテック フィリップが特許を取得。その実用性の高さから、多くのブランドにおいて続々とアニュアルカレンダー(年次カレンダー)が登場しています。

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クオーツのパーペチュアルカレンダー

パーペチュアルカレンダー機構を備えた、クオーツムーブメント搭載モデルも存在します。機械式時計とは異なり、低価格モデルに搭載されているのが特徴です。

例えばシチズンのカンパノラは2100年2月28日まで、閏年に関係なく自動でカレンダーが修正される機構を備えています。クオーツムーブメントを搭載していることから、時刻合わせが不要なのも魅力といえるでしょう。

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その他の主要カレンダー機構

パーペチュアルカレンダー以外にも腕時計には多くのカレンダー機構が存在します。ここからは主要カレンダーのラインアップを紹介していきましょう。

カレンダー(日付表示)

文字盤上に日付表示が備わり、3時位置もしくは6時位置に表示されています。31日までカレンダーの日付が表示されているため、30日の月は月末に手動で合わせなくてはなりません。

現在では日付のみ、早送り機構(クイックチェンジ式)が付いているモデルが主流になりますが、ヴィンテージモデルでは付いていないモデルも存在します。りゅうずで日付を調整するもの、ケースサイドの横穴をプッシュしながら日付を調整するものもあります。

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トリプルカレンダー

月、日付、曜日をそれぞれ文字盤上に表示させる機構がトリプルカレンダーです。表示方法には小窓式とポインター式が存在します。小窓式は一般的なカレンダー(日付表示)付きモデルと同じ表示方法。ポインター式は専用の針で表示する方法です。

調整の方法は、りゅうずとケースの横穴をプッシュしながら各表示を動かしていきます。このトリプルカレンダーにムーンフェイズを組み合わせたものが多く見られます。

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ウィークリーカレンダー(52週カレンダー)

パーペチュアルカレンダー、アニュアルカレンダーに続き、パテック フィリップが新たに開発した新型機構がウィークリーカレンダーです。文字盤内周に曜日、外周に53週のカレンダー、さらに外側に月が記載される構成でまとめられています。日本国内ではなじみが薄いカレンダーウィーク(週番号)ですが、海外では比較的一般に使われる数え方です。

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セミパーペチュアルカレンダー

ブライトリングが得意とするのがセミパーペチュアルカレンダーです。4年間に1度だけカレンダーの調整が必要な機構です。パーペチュアルカレンダーほど複雑ではないため、価格が抑えられています。

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主要ブランドのパーペチュアルカレンダー

ここからはパーペチュアルカレンダー搭載モデルを取り扱う主要ブランドをご紹介していきます。複雑機構であるパーペチュアルカレンダーを製造するだけあり、いずれも技術力に長けたブランドが名を連ねています。

パテック フィリップ

パーペチュアルカレンダーの進化とともに歴史を歩んできたといっても過言ではないパテック フィリップ。こちらはパーペチュアルカレンダーにムーンフェイズ、クロノグラフを備えたグランド コンプリケーションモデルです。複雑な機構を搭載することで文字盤のレイアウトは雑然となりやすいですが、長年培われたノウハウを基に整然と配置されており、視認性においても優れています。

12時位置にまっすぐ配列されたカレンダーがユニークなグランド コンプリケーションモデルのRef.5236P-001。4枚の回転ディスクを平面上に配置するために、従来の永久カレンダーを改良。巻き上げ効率を高めるため、プラチナ製のマイクロローターを備えた、パテック フィリップの新作パーペチュアルカレンダーです。パーペチュアルカレンダーを古くから取り扱うパテック フィリップならではのアイデアが詰め込まれた新機構です。

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IWC

ドレス系ウォッチに搭載することが定説であったパーペチュアルカレンダーを、あえてスポーツウォッチに搭載したのがIWCです。複雑ゆえに耐衝撃に弱いパーペチュアルカレンダーを頑強なスポーツウォッチに搭載するユニークな発想は、当時大きな話題を呼びました。

ポルトギーゼやダ・ヴィンチなどの同社を代表するドレスウォッチにもラインアップされていますが、他社にはない観点から生産されたビッグ パイロットウォッチ パーペチュアル カレンダーは唯一無二の存在といえるのではないでしょうか。

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ブレゲ

時計のメカニズムの数々を考案した偉大なる人物、アブラアン-ルイ・ブレゲ。その哲学を継承するブレゲは、現在においてもパーペチュアルカレンダーをはじめ、幾多の複雑機構を搭載するモデルをラインアップしています。

こちらのパーペチュアルカレンダー ムーンフェイズの文字盤上には、閏年カレンダー、月、日付、曜日、ムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーターが複雑に配置されています。さらに伝統のギョーシェ彫りを組み合わせることで、威風堂々としたクラシックスタイルを演出しています。

背面はシースルー仕様になり、美しい手彫り装飾が施された自動巻きムーブメントが堪能できます。技術力と装飾を存分に愉しめるのが、ブレゲのパーペチュアルカレンダーモデルです。

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ジャガー・ルクルト

カルティエをはじめとした、多くの老舗メゾンにムーブメントを供給していた実績を誇るリアルマニュファクチュールブランドがジャガー・ルクルトです。同社は極薄なムーブメント作りを得意としており、過去には厚みわずか1.38mmと世界で最も薄いムーブメントを生産したことでも知られています。

そんな技術力に定評のあるジャガー・ルクルトだけに、パーペチュアルカレンダーにおいても薄型ケースのモデルに搭載されています。モデル名にもネーミングされている通り、厚みがわずか9.2mmの薄型ケースである、マスターウルトラスリムにパーペチュアルカレンダーを組み込んだこちらのモデルはジャガー・ルクルトの技術力を十分過ぎるほどアピールするモデル。

シンメトリーに配置されたインダイヤルには月、日付、曜日、ムーンフェイズが収まります。4桁の西暦がさりげなく配置されているのもパーペチュアルカレンダーならではの仕様です。

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まとめ

いかがでしたか？

今回はパーペチュアルカレンダーについてご紹介しました。世界三大複雑機構の1つに数えられるパーペチュアルカレンダーを搭載したモデルをいつかは手に入れてみたいですね。

パーペチュアルカレンダー以外にも数多くのカレンダー機構付きモデルがラインアップされています。ぜひお手に取って、それぞれの違いを体感してみるのはいかがでしょうか？

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