パネライと聞いて「あの大きな時計のこと…」と思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。パネライことオフィチーネ パネライはその名を世界中に知らしめた1997年から現在まで、多くの熱狂的なパネライファンを獲得してきました。当店ジャックロードの受注ランキングでも上位にランクインすることから、人気の高さが伺い知れます。
そんなパネライの中でも、高い支持を得ているのがラジオミールとルミノール。パネライに詳しくない方であれば、これらは一見同じにデザインに見えるがゆえ、その違いがわからない方もいることでしょう。
今回は、そんなパネライビギナーに向けてラジオミールとルミノールの違いに焦点をあてながら解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
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パネライを見ていくとラジオミール、ルミノールの名称が目に入ります。パネライを選ぶ上で最初の分岐点がラジオミールとルミノールの違いを知ることでしょう。百聞は一見に如かず、まずは下記をご覧ください。
ラジオミールとルミノールの主力モデルをピックアップしましたがいかがですか?パネライをある程度知っている方であれば、すぐに見分けがつきますが、ご存じない方はおそらく同じモデルに見えるのではないでしょうか。
おそらくラジオミールとルミノールの見分けがつかない理由がクッション型のケースと、大きな12と6のインデックスを採用しているからです。
実は、ラジオミールとルミノールはある箇所に注目して見ると簡単に見分けることができます。その箇所とは、りゅうず部分です。
もう一度上の画像のりゅうず部分を見比べてみてください。りゅうずガードが付かない左側がラジオミール、りゅうずガード(レバー式りゅうずガードプロテクター)が装着されている右側がルミノールになります。
見分けるポイントとして、ここさえ覚えておけば遠目からでもラジオミールかルミノールか判別することが可能です。
ラジオミール 1938 Ref.PAM00232
パネライ初期モデルを再現した世界限定1938本が販売されたレアモデル
先述の通り、ラジオミールとルミノールで最も大きく異なるのがりゅうずガードの有無です。では、ラジオミールには、なぜりゅうずガードが付かないのでしょうか。他にもラジオミールとルミノール、よく似ているネーミングも疑問が残ります。
この疑問を解決するにはパネライの歴史を遡る必要があります。ここからはパネライの歴史を紐解いていきましょう。
ラジオミール 1936 Ref.PAM00262
通称カリフォルニアダイヤルと呼ばれている文字盤。2006年にわずか世界99本が限定生産されたスペシャルエディション
イタリア フィレンツェにて時計店からスタートしたパネライは、時計販売、修理の傍ら、イタリア海軍に向けて軍事用精密機器を納入していました。
その繋がりを経て、イタリア海軍からの要請により時計製作(計器)をスタートさせます。軍事用であることから、あらゆる過酷な環境下に対応できる時計が必要でした。そこでパネライが開発したものが夜光塗料です。
ラジウムを使用した粉末を夜光塗料にしたところ、極めて明るく発光したことから、文字盤に使用することになります。この塗料を由来としてラジオミールと命名されるのです。文字盤はいくつかのプロトタイプが存在しており、その中でもよく知られているのが通称カリフォルニアダイヤルと呼ばれているものです。
アラビアとローマのそれぞれの数字がミックスされた文字盤は、完全な暗闇の中でも特殊潜水隊員が時刻を判別できるようにデザインされていました。このデザインは2006年に世界99本が生産されたスペシャルエディション、Ref.PAM00262で復刻。その後、ラジオミール カリフォルニア Ref.PAM00931はレギュラーモデルとしてラインアップされています。
当時のパネライは現在のように自社でムーブメントを製造できる環境ではありませんでした。そのため数点の試作品の中からパネライの基準に適したロレックスのムーブメントが採用されることになります。
ラジオミール S.L.C. 3デイズ Ref.PAM00425
2012年に復刻されたラジオミール S.L.C. 3デイズ。S.L.C.とは潜水作戦の際にイタリア海軍が搭乗した低速魚雷艇を意味する
このムーブメントをさらにパネライが独自で改良を施し完成。Ref.2533と呼ばれた歴史的なモデルは後にラジオミール S.L.C.の名前で復刻されています。
その後、1940年代に入りラジオミールは改良が施されました。特徴的であったケースラグに備わるワイヤーループは姿を消し、頑強なケースラグが新たに備わります。おそらく過酷な環境下においてケースとベルトが外れてしまうクレームが多かったようです。りゅうずの形状もそれまでの円錐型から一般的な円筒型に変更されています。
ラジオミール 1940 3デイズ GMT パワーリザーブ オートマティック アッチャイオ Ref.PAM00628
頑強なケースラグが特徴のラジオミール 1940
この改良が施されたラジオミールは2012年にラジオミール1940のネーミングで商品化。ラジオミールとルミノールを繋ぐ歴史的なモデルとして人気を誇ります。
ルミノール 1950 3デイズ47mm Ref.PAM00372
ルミノールの初期モデルを復刻したモデル
強力な夜光塗料と高い耐久性を誇り活躍していたラジオミールでしたが、新たな事実によりラジオミールは徐々に姿を消すことになります。その理由はラジオミールが使用していた夜光塗料のラジウムが大量のガンマ線を放射していることが原因でした。
これにより新たな夜光塗料の開発が行われ誕生したのがトリチウム塗料を使用したルミノールだったのです。しかしながら、ルミノールがいつから開発されていたかについては不明な点が多く、1940年代にもルミノールと記載されていたモデルが存在するなど、大きな謎に包まれています。
先述している通り、パネライは軍事用向けであったことから機密情報として一般には情報が出回らないことや、1966年11月4日に起きたイタリア・フィレンツェの大水害による大きな被害により資料が紛失しています。これらの出来事がパネライをより謎めいた存在にしているのです。
ルミノール マリーナ フィレンツェ限定 44mm Ref.PAM00001
2014年にフィレンツェブティック限定として159本のみ販売された希少モデル
ラジオミールの改良版として誕生したルミノールの最も特徴的な部分がレバー式りゅうずガードプロテクターです。イタリア海軍からの要望で新たに装備されたレバー式りゅうずガードプロテクターは、りゅうずの破損を防ぐとともに、防水性も担保されていました。
時代が変わり軍事が縮小されることでパネライは経営が悪化し、ついに1993年に初めて民生用(一般)向けモデル、ルミノールを発売します。1997年には現在のリシュモングループに属し、パネライは高級時計ブランドとして表舞台に登場することになります。
当時としてはありえない44mmのクッション型ケースにシンプルなフォルムが話題を呼び、パネライの快進撃が始まりました。その大きいフォルムから「デカ厚」のキーワードともに多くの時計ブランドが大型サイズ市場に乗り出し、一大ブームを巻き起こしたのです。
ルミノール マリーナ 44mm Ref.PAM00978
ルミノールの初期モデルを復刻したモデル
ラジオミールがパネライの伝統を継承し続けるのに対し、ルミノールはより一層モダン路線に転換していきます。ブレスレットモデルの登場、同社独自素材のカーボテック(カーボン)、リサイクル素材の採用とラジオミールとのキャラクターの違いが明確になってきています。
ロ・シェンツィアート ルミノール 1950 トゥールビヨン GMT チタニオ リミテッド Ref.PAM00578
ルミノールであればトゥールビヨンの選択も可能
ここまで、ラジオミールとルミノールの違いについて解説してきましたが、それではラジオミールとルミノールのどちらを選べばいいのでしょうか?
ラジオミールはパネライの歴史を現在も継承し続けているコレクションです。そのため、軍用時計のルーツを残していることから、ケースサイズが比較的大きいモデルが多いのが特徴です。その大きさを気にしなければオンタイムでの使用にも適しているといえます。大きさが気になるのであれば42mmのラジオミール1940がおすすめです。
対してルミノールはパネライの裾野を拡げたコレクションであるため、あらゆるユーザーのニーズに応えたラインアップが展開されています。その中にはブレスレットモデルやルミノール ドゥエのような薄型モデルも展開されています。バリエーションがとにかく豊富なのがルミノールの最大の魅力といえるでしょう。
ラジオミールとルミノールの相違点
ラジオミール
・りゅうずガードが装備されていない
・レザー、ラバーストラップのみでブレスレットモデルは存在しない(2022年5月時点)
・ワイヤーループ機構を装備するモデルが存在
ルミノール
・りゅうずガードが装着されている
・ブレスレットモデルがラインアップ
・チタン、カーボテックなどハイテク素材を採用
最後は価格についてです。プレミアムブランドだけに高額の印象が強いパネライですが、ラジオミールもルミノールもエントリーモデルであれば50万円台からの入手も夢ではありません。例えばこちらのラジオミールとルミノールをご覧ください。
パネライ ラジオミール Ref.PAM00753
メーカー希望小売価格550,000円→当店販売価格488,000円
パネライ ルミノール Ref.PAM01086
メーカー希望小売価格627,000円→当店販売価格558,000円
共にエントリーモデルのため、シンプルな構成でまとめられています。視認性を最も重視した2針のフェイスはパネライの原点を感じさせます。心臓部には共に最新型のパネライ自社製cal.P6000手巻きムーブメントを搭載。さらに嬉しいのが3日間のパワーリザーブを備えている点です。
エントリーモデルといえども、パネライの哲学はしっかりと息づいています。
※表示価格は2022年6月時点の当店ジャックロードでの掲載価格です。価格は変動する場合がございます。
いかがでしたか?
今回はラジオミールとルミノールの違いについて解説いたしました。共にパネライの歴史とブランド哲学が投入されたコレクションです。ぜひ、お手に取ってパネライの世界を知ってください。
当店ではご紹介したコレクション以外にも数多くのパネライを取り揃えています。ぜひあなたにとってベストなアイテムを探してみてください。
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店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。