時計業界に数々の革新をもたらした世界に誇る国産ブランド、セイコー。世界基準を意識したフラッグシップモデルのグランドセイコーをはじめ、今や国内外問わず高い人気を誇るセイコーですが、今回はそんなセイコーのヴィンテージに着目。日本が誇る情緒あふれる名品の数々をご覧ください。
当時、セイコーは国産の懐中時計として初めて鉄道省に正式採用された
セイコーの創業は1881年、場所は東京、当時は服部時計店として服部金太郎氏によってなされました。
東洋の時計王の異名を持つ服部金太郎氏は掛時計、懐中時計(タイムキーパー)に続き、1913年(大正2年)には国産初の腕時計である「ローレル」の生産を開始、1924年には「SEIKO」の商標利用を始めました。時計業界の先進であった欧米を追いかけようと、国内時計産業を大きく牽引しつつある時代でした。
その後1960年には初代グランドセイコーを発表、1964年に開催された東京オリンピックでは公式時計を担当、1967~1968年にはスイス天文台コンクールにて上位を独占するなどして、国産時計セイコーの名を徐々に世界に轟かせ始めました。
そして、時計業界の歴史を語る上でかかせないクオーツショック(1969年)という革命的な出来事を成し遂げます。世界初の水晶時計であるクオーツアストロンを発表、腕時計産業を震撼させました。
国産初の腕時計「ローレル」、初代グランドセイコー、そしてこのクオーツアストロンは機械の日である2014年8月7日、日本機械学会が制定する2014年度機械遺産に選ばれました。
1999年にはクオーツ時計と機械式時計の融合、スプリングドライブを発表、その後もソーラー電波腕時計のイグニッションや世界初の電子ペーパー腕時計のスペクトラム、世界初のGPSソーラーウォッチのアストロンの発表など、数々の偉業を成し遂げています。
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さて、時計史においても永遠にその名を刻むセイコーですが、ここからは本題であるセイコーの深い歴史を体現したヴィンテージモデルをご紹介いたします。歴史に名を刻む名品たちをお楽しみください。
こちらはキングセイコーのヴィンテージモデル。1960年代に製造された手巻きヴィンテージです。
かつてセイコーが所有していた高級腕時計ブランド、キングセイコー。発売当時の価格はグランドセイコーに次ぐ高価格帯でしたが、グランドセイコーに比べれば比較的手に取りやすく、実際に使用しているパーツはグランドセイコーのものと同じ(グランドセイコーはGS規格なるクロノメーター規格よりもさらに厳しい規格を設定しているため、出荷前の調整などは異なる)であることから、セイコーの隠れた名品といわれることもあります。
1971年に惜しまれながら最終モデルを発売、その4年後の1975年、クオーツ時計の普及により生産終了となりました。
画像のモデルはキングセイコーの中期に当たるもので、“CHRONOMETER”の表記がブロック体であるのが特徴です。裏ぶたにはクロノメーターの象徴であるライオンメダルが彫刻されています。セイコーらしいシンプルな三針に、プラスチック風防が味わいを感じさせます。
それまでのセイコーウォッチの機能を飛躍的に高めたのがマーベルです。ムーブメントは石数によって分類されますが、こちらは初期の17石タイプ。後のロードマーベルの前身でもあります。
1958年にマーベルの後継機として誕生したロードマーベル。誕生した当初はセイコーの最上位モデルであると同時に現在のグランドセイコーのベースモデルでもあります。
搭載ムーブメントにはスムースてん輪を搭載し、精度向上を図りました。
こちらは希少なセイコーファーストダイバー。セイコーダイバーズウォッチの祖ともいえる逸品。高い水圧にも耐えられるよう二重パッキン構造をりゅうず部分に採用しています。
ベゼルは両方向回転式、りゅうずは通常りゅうず、味わいのあるアクリル製風防と今日のダイバーズウォッチとは仕様が大きく異なりますが、それもヴィンテージテイストやセイコーの歴史を感じさせる味ともいえます。
オリジナルモデルを忠実に再現して復刻した世界限定2,000本のモデル。発売当時はプレミア価格で流通したことでも話題となりました。
セイコーのセカンドダイバーは、通称「植村ダイバー」とも呼ばれます。冒険家である植村直己氏が開発および自ら冒険に着用したことでその耐久性を世に知らしめることとなりました。ヴィンテージの世界ではその人気は健在です。
こちらはそんな植村ダイバーの前期タイプ。4時位置のりゅうずが印象的ですが、前期型はりゅうずガードがなく、生産期間も後期型に比較すると長くありませんでした。
こちらはりゅうずガードが特徴的な植村ダイバーの後期タイプ。前期型に比べると、より植村氏の意見が色濃く反映されたのでしょう。
りゅうずガードのデザインが大きく変更されています。
その人気は前期よりも高く、今日でも復刻モデルが発売(2019年7月6日)されたのは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
オリジナルモデルの特徴的なりゅうずガードを始め、可能な限りそのデザインを踏襲しつつもムーブメントはCal.8L35、風防にはサファイアガラス、強化シリコンストラップおよびダイヤシールドの採用によりモダンダイバーズとして大きくスペックアップ。大きな話題を呼びました。
続いてご紹介するのはセイコースポーツモデルのヴィンテージ。こちらはプロフェッショナルダイバー600M Ref.6159-7010。1970年代に製造されたこちらのモデルは、世界初のチタンケースを使用した時計として話題を呼びました。
ダイヤルは600”M”表記のない初期型、市場でも滅多にお目にかかることのできない希少モデルです。ムーブメントは自動巻き、ハイビート仕様のCal.6159Bを搭載しています。
セイコーの特殊時計開発の第一人者、徳永幾男氏による国産ダイバーズウォッチの最高傑作です。
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こちらは1960年代に誕生したグランドセイコーの1stモデル。1stの中でもこちらは前期型でダイヤルの“GrandSeiko”ロゴが掘り込みタイプとなっています。
後の2011年、2017年と二度も復刻モデルが登場するなど、グランドセイコーの中でも特に人気の高い特別なモデルです。
裏ぶたにはクロノメーター規格合格の証明(セイコー社内の検査規格)であるライオンメダルが彫刻されています。
こちらは2代目グランドセイコーのヴィンテージ。1stモデルの4年後に製造開始された2nd。
1stと比較するとラグは大きく太くなり、ケース素材は14金張りからステンレススチールに変更、裏ぶたはスクリューバック仕様となっています。さらに早送り機能付きのカレンダー機能も搭載され、実用性がより高められました。
1stと異なり、“GrandSeiko”表記はアプライドタイプに仕様変更されています。
こちらは1968年に発売された手巻き10振動の45GS。グランドセイコー自動巻き10振動の61GSの翌年に発売となりました。
画像は裏ぶたにGSメダリオン、前期型には存在した”CHRONOMETER”表記が消え、GS表記のみとなった後期型です。
グランドセイコー初となる自動巻き62GS。
りゅうずが4時位置に配され、かつケースに埋もれるデザインは自動巻きであることを象徴するもの。りゅうずを1段引いて回すとデイトチェンジ、2段引いてまわすと針が動き、時刻調整が出来ます。
1970年代、機械式自動巻きの中でも最後の高級機として名高い56系キャリバーを搭載したこちらのモデル。高い精度を保ちながらもムーブメントの厚さ4.5mmを実現したモデルです。
画像は当時としては珍しい金無垢モデル。
いかがでしたか?
日本が世界に誇るセイコー。時計史に名を刻む名品ヴィンテージの数々の世界をご堪能いただけたでしょうか。
当店ジャックロードではセイコーの他にも各種ヴィンテージモデルを取り揃えております。これを機会にあなただけの1本を探してみてはいかがでしょうか。
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