オメガ スピードマスター5th~雰囲気ある佇まいに一目惚れしたこだわりのアンティークウォッチ~[スタッフ愛用時計Vol. 23]

オメガ スピードマスター5th~雰囲気ある佇まいに一目惚れしたこだわりのアンティークウォッチ~[スタッフ愛用時計Vol. 23]

オメガ(OMEGA)スピードマスター Ref.145.022
スタッフ牧野 所有

今回は、腕時計専門店であるジャックロードの修理部門に所属し、オーバーホールや修理が必要な時計のメンテナンスを管理している牧野さんにインタビューしました。愛用時計はスピードマスター5th、1969年製のアンティークオメガです。

一目見てアンティークならではの独特な雰囲気に魅了されたという自慢の愛機について語ってもらいました。

 
【Staff Profile】
 

名前 牧野 弘樹

社歴 11年目

所属 ジャックロード/修理部 リーダー

現在所有している腕時計
オメガ スピードマスター5th Ref.145.022

手首サイズ 約15.0cm

趣味 愛車でドライブ

 

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オメガ スピードマスター5th~アンティークならではの魅力とは

―今日はよろしくお願いします。23回目を迎える人気企画の“スタッフ愛用時計”シリーズですが、ここ数回は現行モデルの取材が続いていたので、久しぶりのアンティーク(ヴィンテージ)ウォッチ登場回となりますね!

牧野 こちらこそ、よろしくお願いします。

―うわさによると、お客さまからも「その時計、飽きたら売って!」と声をかけられる時計だそうですが、さっそく見せていただけますか?

牧野 はい、こちらになります。

オメガ スピードマスター5th Ref.145.022(1969年製)
1969年といえばアームストロングがアポロ11号で人類史上初めて月面へと着陸した記念すべき年。

牧野 私の愛用時計はオメガのスピードマスターで、いわゆる5th(フィフス)と呼ばれる第五世代です。1969年製造の個体で、スピードマスターが4thから5thへと切り替わったのが1968年ですから、かなり初期のものということになると思います。

―スピードマスターは1957年に誕生して以来、約10年の間に第一世代から第四世代までかなり試行錯誤を重ねていますが、第五世代は1968年から1996年までと長きに渡ってベーシックモデルとして君臨していましたよね。

牧野 そうですね。スピードマスターは5th以降ほとんど基幹デザインを変えていませんが、文字盤のマイナーチェンジは多いので、マニア心にディテールを見比べるのが楽しい世代でもあります。

―ジャックロードには他にもスピードマスター5thを所有しているスタッフがいますが、同じ5thでもそれぞれの個性がありますよね!牧野さんがこちらの時計に惹かれたポイントはどの辺りでしょうか?

牧野 一番気に入っているのはこの文字盤の焼けですね。もとはブラックだったダイヤルカラーが経年変化で褐色になっています。アンティークロレックスでも、初期モデルに見られるミラーダイヤルはブラウンチェンジした通称“トロピカル文字盤”が人気ですが、似たような雰囲気が感じられますよね。

―とてもきれいなチョコレートブラウンですね!少し褪色してグレーがかったタキメーターベゼルともすごくマッチしていてかっこいいです。


牧野 キズだらけですが、ブレスレットも時計と年代の合ったキャタピラーブレスが装着されているのもポイントです。作りとしては後年のブレスのほうがもちろんしっかりしていますが、この全体から醸し出されるアンティークウォッチならではの雰囲気に一目惚れしました。以来10年間、これだけを愛用しています。

―愛用しているうちについたキズも深い味わいにつながっていますよね!せっかくなので、5thをはじめとする初期モデルならではの特徴も紹介していただけますか?

牧野 はい。まず特徴的なのはミニッツトラック部分に段差のある、いわゆる段付き文字盤でしょうか。比較するとわかりやすいと思いますが、三つ目のクロノグラフのインダイヤル部分も窪みが深くなっているんですよ。

左が牧野さん所有の段付き文字盤。ミニッツトラック部分に段差があり、クロノグラフの三つ目部分も右の個体より深くなっているのがわかる。

―本当ですね。同じ5thでもフラットな造作のものと比べると陰影がはっきりしてメリハリのきいた印象になっていますね!

牧野 個人的には月面のクレーターのようにも見える、と思うこともありますよ。

―なるほど、確かに!ムーンウォッチにちなんでいていいですね。

牧野 あとは裏ぶたも一時期しか発売されていないストレートライティングです。

―ストレートライティング?

牧野 スピードマスターの裏ぶたにはシーホースのエングレービングが入っているものが多いのですが、それがこんなふうに「THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON」の文字が直線状に刻まれたデザインのものをストレートライティングと呼んでいます。Ref.145.022の一部モデルのみに見られる特徴です。

特別にその場で裏ブタを開けてもらい、オメガ特有の美しい銅色ムーブメントを拝見。

牧野 あとは、普通ですとムーブメントはステンレスカラーのものが多いのですが、これは銅色ムーブといって、その名の通り銅でメッキが施されたオメガ特有の美しい機械が搭載されています。裏蓋を開けないとわからない部分ではありますが、そういったことも購入の決め手となりました。

―見えない部分に特別性を秘めているのも素敵ですね!

牧野 ムーブメントの話のついでですが、実はオメガのスピードマスターはこの一つ前の4thに搭載されていたcal.321が名機といわれる人気のムーブメントで、5thからは量産型ムーブメントであるcal.861に切り替わります。

cal.321はパテック・フィリップをはじめ、名だたる名門メーカーのクロノグラフのベースムーブメントとして採用されてきた経緯があり、コレクター的な視線でいえばこの時計もcal.321搭載モデルに比べるとちょっと魅力が薄れるかもしれません。

でも僕は、cal.861は量産型である分細かい部品の入手が容易で、もし後々パーツ交換が必要になった場合でも安心できるので、気に入って普段使いするにはむしろ利点だと感じています。

自分には縁がない世界だと思っていた高級時計。でも…

―まずは見た目の独特な風合いに一目惚れした時計ながら、ディテールを知れば知るほどもっと好きになるという運命の出会いだったんですね!

“アンティークウォッチとの出会いは一期一会”とよく言いますが、この時計との出会いもそんな感じだったのでしょうか?


牧野 そうですね。先ほども少し触れましたが、この時計との出会いは10年前で、僕がジャックロードへ入社した当時まで遡ります。それまで僕は、高級な腕時計は一部の富裕層のものであって、自分とは縁遠いものだと思っていたんです。

百貨店に入っている正規店ブティックはいつ見てもほとんど人がいなくて、たとえ時計に興味があっても中に入りづらい印象でした。

…それがジャックロードへ面接を受けに来たときに、店内に溢れかえるほどお客さまがいらっしゃってすごく驚いたんですよ。

―今年5月に中野ブロードウェイにある店舗を拡大してリニューアルオープンしたので、かなりゆったりご覧いただけるようにはなりましたが、確かに週末ともなると多くのお客さまで賑わっていますよね!

リニューアルオープンしたジャックロード店内。奥にはアンティークウォッチ専門ブースも。

牧野 実際に入社してみて、時計を買いに来られるお客さまは必ずしもイメージしていた富裕層の方だけではなく、就職が決まったお祝いにいい時計を買いたいとか、若い方でも好きな時計を買うためにコツコツお金を貯めてきたとお話してくださるお客さまもたくさんいらして、その需要の多さ、層の広さに衝撃を受けました。

―無縁だと思っていた高級時計が、急に身近に感じられるようになったと。

牧野 はい。高級時計を購入することを自分事として考えるようになり、入社して半年ほどは何がほしいか吟味しました。先輩方には「まだ時計買わないの?」なんてからかわれましたが、これだと思う時計に出会うまでは安易に買わないと心に決めていました。

―高い買い物ですから、それは慎重になりますよね(笑)

牧野 そんなある時、先輩スタッフから「これ、どう思う?」と写真を見せられたのがこの時計との出会いです。外へ委託に出していたので実物は店舗になかったのですが、写真の雰囲気だけで強く心を惹きつけられました。

―以前はバーニーズニューヨークや、かぐれ・フリーマンズスポーティングクラブなどアーバンリーサーチのセレクトショップにジャックロードえりすぐりのアンティークウォッチを置いてましたからね。

牧野 そうなんです。本当のことを言うと、初めての高級時計でアンティークウォッチを選ぶのは少し敷居が高いかなと敬遠していたのですが、直感にはあらがえなかったですね(笑)どうしてもとわがままを言って時計を委託先から引き取ってもらい、実物を見て、もうこの時計しかないという直感が確信に変わりました。

先ほど説明したディテールは、その先輩スタッフから1つ1つ丁寧に教えてもらったことなのですが、そのすべてが魅力的に感じられて、購入へと踏み切るのに背中を押してくれました。

―手前味噌ですが、その先輩スタッフもさりげなく牧野さんの好みを把握してピンポイントでおすすめしてくる辺りはさすが、ジャックロード百戦錬磨の販売スタッフですね!

いつかほしい、憧れの時計は?

―さて、牧野さんは現在修理部門に所属されていますが、時計を外側から見るだけでなく、ムーブメントをはじめとする機能的な部分にタッチするようになったことで、新たな発見はありましたか?

牧野 そうですね。いわゆるハイブランドと呼ばれる時計の、見えない内側までこだわり抜いて仕上げられた美しさには「これだけ高価なのも頷ける」という納得感はありますね。それに、ギュッと凝縮された世界の中で「こういう機能のために、こういう仕組みになっているんだ」という発見は新鮮で、腕時計の世界の奥深さを改めて実感しています。

―中でも特に印象深いメーカーはありますか?

牧野 ハイブランドを掲げるメーカーはいずれもすごいですが、パテック・フィリップはやっぱり群を抜いているのかなと感じますね。歯車を削る工程から何から、一切の抜かりがない。最高峰といわれるだけのことはあると納得の思いです。

―では、次に買うとしたらパテック・フィリップ一択?

牧野 理想としては、そうですね。すべてをそぎ落としたようなシンプルな佇まいが美しいカラトラバを、いつかは手にしてみたいです。

パテック・フィリップのカラトラバはいつか手にしたい憧れの時計。

牧野 実を言うと以前はオーデマ・ピゲのロイヤルオークがほしいと思っていたのですが、一度試着してみたときにあまりにも似合わなくて(笑)僕は手首周りが15cmと細いほうなのでラグの部分がすごく浮いてしまい、諦めることにしましたよ。

―ロイヤルオークのケース径自体はそんなに大きくないですが、牧野さんのように腕の細い方は要試着ですね!

最後に、牧野さんは1年ほど姉妹店であるレディース腕時計専門店ベティーロードの店頭に立たれていたこともあるそうですが、女性がしていたら素敵だなと思う時計があれば教えていただけますか?

カルティエ ミニベニュワール Ref.WB520026

牧野 レディースではカルティエのベニュワールがエレガントで女性らしいと思いました。メンズではああいったデザインはまず出てこないので、すごく新鮮に感じました。

―なるほど。今日はいろいろお話を聞かせていただきありがとうございました。

いつもおしゃれな印象の牧野さん。「時計にこだわりがあるお客さまはスタイリッシュな方が多いですし、自分も腕時計に合わせて服装にも自然と気を遣うようになりました」と、お気に入りのアンティークウォッチを中心に変化していくライフスタイルそのものを楽しんでいる様子がうかがえました。

クロノグラフウォッチの代名詞、スピードマスター

オメガ スピードマスター プロフェッショナル 5th ストレートライティング Ref.145.022-69st

オメガを代表する人気コレクションであるスピードマスターは、現行モデルだけでなくアンティーク(ヴィンテージ)としても支持され続けている、クロノグラフウォッチの代名詞的な存在。

その人気と知名度を得るきっかけになったのは、やはりNASAの宇宙プロジェクトでしょう。

当時NASAは宇宙における過酷な環境に耐える時計を選ぶべく、さまざまな耐久テストを行いました。高温や低温、衝撃や振動など宇宙空間で想定される様々な条件に耐え抜き、プロジェクトの仲間入りを果たしたのがオメガのスピードマスターだったのです。

かくして1969年、アポロ11号による月面着陸の成功でスピードマスターは「初めて月面に着陸した時計」となり、以来、スピードマスターを語る上で「宇宙」というテーマは欠かせないものとなっていきます。

オメガ スピードマスター アポロ11号記念モデル Ref.BA145.022-69

本家ともいえるアポロ11号記念モデル以外にも、実はアポロ計画との関係が深いスヌーピーモデルや銀河鉄道999とのコラボレーションモデルなど、スペシャルエディションが多く存在しています。

宇宙プロジェクトで名を馳せたスピードマスターは、これまでに数え切れないほどのモデルを発表してきました。

スピードマスターの本家ともいわれる手巻きモデルだけでなく、自動巻きやクオーツ、そしてデジタルとアナログが融合した近未来的な“デジアナ”モデルまで、時代やニーズに応えた派生モデルを展開することで幅広い層から支持を得ているのです。

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