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2019/7/6

ロレックス Ref.1665 赤シードゥエラー~奇跡の赤シード マーク2 ブラウンダイヤル~[アンティーク仕入れ担当の時計図鑑 Vol.5]

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ロレックス Ref.1665 赤シードゥエラー~奇跡の赤シード マークⅡブラウンダイヤル~[アンティーク仕入れ担当の時計図鑑 Vol.5]

お久しぶりです。ジャックロードでアンティークウォッチの仕入れを担当しております、高岡です。今回はついに当店に入荷しましたアンティークロレックスきってのレアピース、赤シードゥエラーMarkⅡ(マーク2)ブラウンダイヤルをご紹介していきたいと思います。

■この記事の監修;
ジャックロード(JACKROAD)
業界最大手!新品・中古・アンティークの時計が常時5000本以上という全国屈指の品揃えを誇るブランド腕時計専門店ジャックロード。創業30年以上の実績と信頼、豊富な知識で人気ブランド商品について分かりやすく解説します。

■SHOP INFORMATION;
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シードゥエラーの誕生

シードゥエラーの誕生は1967年まで遡ります。初代シードゥエラーは現在53才ですね。ちなみに1967年生まれの有名人には江口洋介さん、天海祐希さん、織田裕二さんなどがいらっしゃいます。トヨタが名車2000GTを、タカラがリカちゃん人形を発売し、ツィッギーが来日してミニスカートブームが巻き起こった年でもあります。

話が脱線しました。さて、そんな1967年生まれのシードゥエラーですが、当時のサブマリーナーデイトの約3倍にあたる610m防水、そしてケースサイドには「ヘリウムガスエスケープバルブ」を備え、サブマリーナーの上位モデルとして発表されました。

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赤シードゥエラーとは?

シードゥエラーの1stモデルである「Ref.1665」、製造初期は文字盤のSEA-DWELLER SUBMARINER 2000の文字が赤色で表記されており、その特徴をとって赤シードゥエラー・通称“赤シード”と呼ばれています。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

この赤シードは1967年から1978年ころまで製造されていますが、この10余年の間に少しずつマイナーチェンジが施され、その特徴ごとにマーク1、マーク2、マーク3、マーク4に分類されています。

今回ご紹介するのはマーク2ダイヤル。製造期間は1967年から1969年で、個体数が少なく非常に珍しい存在であると同時に、後述する“ある特徴”から、赤シードの中でも特に人気のあるダイヤルといわれています。

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ロレックス 赤シードゥエラー MARK2ブラウン

赤シード・マーク2ダイヤルの見分け方

まず見分け方ですが、マーク2ダイヤルには以下の特徴があります。

①SEA-DWELLERとSUBMARINER 2000の文字の大きさを比べると、SEA-DWELLERのほうが大きい

文字盤を拡大してみましょう。比べると2段目のSEA-DWELLERの文字のほうは大きいことがわかりますね。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

マーク1は両方とも同じ大きさでしたが、マーク2以降はSEA-DWELLERの文字のほうが大きくなります。

②オープン6

オープン6とは、6のアラビア数字の書体に隙間があるもののこと。反対に閉じているものはクローズ6と呼ばれています。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

マーク3まではオープン6、マーク4からはクローズ6が採用されています。したがってマーク2はオープン6になります。

③センタースプリット

センタースプリットは、もともとエクスプローラー2 Ref.16550 の特徴としてよく語られるディテールです。SUPERLATIVE CHRONOMETERの間にあるスペース部分とOFFICIALLY CERTIFIEDの間にあるスペース部分が上下で揃っていることを指します。

ロレックス エクスプローラーII Ref.16550

画像はエクスプローラー2 Ref.16550アイボリーダイヤルのセンタースプリット。きれいに揃っていますよね。それに比べると赤シードのマーク2は完全なセンタースプリットとはいえません。ですが、マーク1、3、4に比べるとこの“ずれ”が小さくなっており、これはマーク2ダイヤルだけに見られる特徴のため「マーク2はセンタースプリットである」と区別されることが多いようです。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

マーク2とマーク4の比較↑

こうしてみるとかなり微妙ですね・・・ちょっとしるしを付けてみましょう。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

赤く色をつけた部分で斜めのところの角度をみると、マーク2のほうはずれが小さいのがわかりますね。ちなみにマーク2とマーク3の文字盤の違いはセンタースプリットの部分だけですので、そこだけみると間違いやすいです。

④ケースの厚み

マーク2まではケースがシードゥエラーにしては薄いという特徴があります。比較すると確かに若干ですが薄い感じがしますよね。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

かなり細かい違いですが、おわかりになりますでしょうか。

⑤番外編・裏ぶたの刻印

これは厳密には見分け方ではないんですが、マーク1はエスケープバルブの特許申請中に売り出されたため、裏ぶたを開けた時に“PATENT PENDING”(特許申請中)と刻印されています。マーク2はその過渡期で、“PATENT PENDING”と“PATENTED”の刻印、両方が存在します。マーク3以降は全て“PATENTED”の刻印になります。

さて、この個体は両刻印とも可能性があるのですが、いったいどちらでしょうか?せっかくなので今、蓋を開けてみることにしましょう。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

赤線を引いた部分ですね。こちらの刻印は“PATENTED”でした。マーク2の“PATENT PENDING”刻印はかなり稀なようです。ついでに中身はこのような感じに なっています。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

ブラウンチェンジしやすいマーク2ダイヤル

そして、マーク2の人気を不動のものにしている“ある特徴”とは、他に比べて文字盤の色が「茶色にやけやすい」点です。この現象は“ブラウンチェンジ”や“トロピカル”などとも呼ばれ、実際にブラウンにやけた個体はやけていない個体に比べてかなりのプレミア価格で取引されています。今回入荷したマーク2のダイヤルをご覧ください。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

もともとはブラックだった文字盤が50年の間に褪色し、美しいチョコレート色へと変化しています。同じRef.1665で変化していない個体と比べてみるとよくわかりますね。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665

このやけ方には当然ですが個体によりばらつきがあります。この個体のように均一にブラウンチェンジしていてかつ文字盤の剥がれなどが全く見られないものは、ピラミッドの頂点にあたる状態のよいものといえるでしょう。

なぜマーク2だけ茶色になるの?

これには諸説あるんですが、1960年代後半にロレックスが文字盤を作らせていたある特定の工場で製造された個体は、シードゥエラーに限らずエクスプローラーやGMTマスターなどの黒文字盤でも一部ブラウンチェンジが見られることから、その工場で使用していた塗料の配合などに起因しているのでは、というのが最も有力な見方。

しかしながら、時計の使用環境によって“やけ方”はそれぞれで、マーク2ダイヤルなら必ずブラウンチェンジしているわけではありません。あくまで「ブラウンチェンジする個体が多い」といわれているだけなのです。現在ブラウンダイヤルとして出回っているアンティークロレックスは、まさに偶然の産物以外の何物でもないのです。

ジャックロードで取り扱ったアンティークロレックスのブラウンダイヤルをいくつかご紹介しますね。

ロレックス エクスプローラー ミラーダイヤル Ref.1016
ロレックス エクスプローラー ミラーダイヤル Ref.1016 1966年製

ロレックス サブマリーナー ミラーダイヤル トロピカル Ref.5058
ロレックス サブマリーナー ミラーダイヤル トロピカル Ref.5058 1961年製

均一なやけ方ではありませんが、どれもアンティークらしい個性があって雰囲気は抜群ですよね!

マーク2ブラウンダイヤルのレア度はどれくらい?

あくまで仕入れ担当の体感としてのお話になります。同じようにレアピースとされ、SUBMARINERの文字が赤色で表記されているアンティークサブマリーナー通称“赤サブ”はジャックロードで年間20~30本ほど扱っています。

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ロレックス 赤サブマリーナー Ref.1680~マークⅠ トロピカルダイヤル~[アンティーク仕入れ担当の時計図鑑 Vol.1]

それに比べて赤シードは1~2年に1本入荷するかどうか。しかもそれはマーク3やマーク4だったりするわけで、マーク2でさらにこれほどきれいなブラウンダイヤルとなると、これは相当レアであるといえます。本当に、ないです。

そもそもこれほどのレアピースにもなると、クリスティーズのような海外の高級オークションに彗星のごとく登場し、桁違いの個人資産家が業者には出せないような価格で落札してそのままコレクションに加えるような代物なので、一般市場に姿を現すことはまずないんです。 この機会に、ご興味のある方はぜひお店まで見にいらしてください。(売れてしまうこともあるので、事前にお問い合わせいただくことをおすすめします。)

交換ベゼルの見分け方

ここまでダイヤルに注目して見てきましたが、ベゼルにも目を向けてみましょう。

ロレックス シードゥエラー Ref.1655

メモリの剥がれもなくとてもきれいな状態ですよね。たまにお客様に交換ベゼルの見分け方を聞かれることがあるんですが、正直に申し上げると完璧に見分ける方法はありません。
最近はGMTマスタ―のベゼルなどは研究が進んできているので、判別できるものもあるかもしれませんね。

ただ「見分ける方法はありません!」というのは簡単なんですけどそれじゃあまりにも雑な答えなので、簡単なチェックポイントを1つだけお伝えしたいと思います。

ベゼルの1番上のポチッとなっている部分をルミナスポイントといいますが、ここは透明樹脂の裏側に夜光塗料が塗られています。なのでブラックライトを当ててみると文字盤のインデックスとルミナスポイントは、オリジナル同士であればほぼ同じ光り方をするはず。というか、実際には50年の間にトリチウム夜光も光らなくなっているので、正確にいうと“同じ光らなさ”になるはずです。

ロレックス シードゥエラー Ref.1655

ブラックライトを当ててみましょう…やっぱりほとんど光らないですね。トリチウム夜光の半減期は12年なので、そりゃそうだろうという感じではありますが。これが新しめの交換ベゼルだと、インデックスは光ってないのにルミナスポイントだけ少し光っていたりするので、もしかしたら交換ベゼルかも?と考えられますよね。ただ相当昔に交換されたとしたらそこまで“夜光塗料の光らなさ”に差はないと思うので、全体的な雰囲気が合っていれば特に気にしなくてもいいのではと個人的には思います。

新世代シードゥエラー・Ref.126600とは正直別物

シードゥエラーの誕生から50年目の節目となる2017年のバーゼル・ワールドにて登場した、新世代シードゥエラー・Ref.126600。シードゥエラーのロゴが赤文字となり、往年の赤シードを彷彿とさせると話題になりました。

復刻モデルがでるとオリジナルも注目されますから、そういった意味で赤シードの注目度はさらに高まっているといえます。とはいえ、こうして並べてみるとけっこう印象が違いますよね。

ロレックス シードゥエラー Ref.126600とロレックス シードゥエラー Ref.126600の比較

ケースサイズも43mmに拡大され、シードゥエラーの歴史では初めてであるサイクロップレンズが採用されている、つくりも頑健そのもの。新作はマッチョな印象ですが、オリジナルはとても繊細な感じです。個人的には似て非なるもの、と思います。

Ref.126600が2070年にこんな感じの風合いが出ているかといわれたら絶対に出ませんので(もちろんその頑健さが現ロレックスの素晴らしいところなんですが)、アンティークのこの手の個体は数が減ることはあっても増えることはありませんから、ぜひ大事にしてくださる方のところへご縁があるといいと思いますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

非常に細かい違いですが、その細かい違いでものすごいプレミアがついてしまうのがロレックスの不思議なところ。今の時代に製品を買う時、「こちらの商品は褪色しやすいので取り扱いにお気をつけください」といわれたら「それって不良品じゃないか」と思ってしまいますよね?ロレックスにとっては「かつて製造した不良品がいまだに市場に出回っている」も同然で、正規店にアンティークロレックスをメンテナンスに出してしまったら最後、「褪色しない」文字盤に問答無用で交換されてしまうかもしれません(笑)

一般的に100年経過したものがアンティークとされるなか、当店では1990年以前に生産されたものを「アンティークウォッチ」と呼んでいます。今回の赤シードは1967年製ですから、100年経過するまであと約半世紀。そのころいったいどのような変化を遂げているのでしょうか。ぜひ歴史的遺産として大切に受け継がれ、叶うならその時の姿を見てみたいものです。

それではまた、レアピースが入荷したらお目にかかりましょう!

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