腕時計を購入する上で、選択肢の中にブランドや価格はもちろんとして、素材を含める方が多いでしょう。ステンレススチールをはじめ、各種ゴールドを素材に使用した腕時計が多数を占める中、比較的少数派に属する素材の1つがチタンです。
名前は聞いたことがあるけど、詳しくは知らない方が多い素材でもあるチタン。実は、腕時計に使用する素材としては多くのメリットが存在しています。
今回はそんなチタンの魅力について解説していきたいと思います。これを読めば、チタン時計の新たな魅力を知れること間違いありません。
チタンの腕時計の歴史と種類、そしてメリットとデメリットについてご紹介いたします
チタンが発見されたのは17世紀にまで遡りますが、金属として使われるようになったのは1946年と、実用化までは長い年月を要しました。チタン素材の特性については後述しますが、当初はその特異性から航空機やロケットをはじめとする航空宇宙産業で活用されていました。製造技術の進化に伴い、次第に建材としても使われるようになります。近年では人工関節の部品にも使用されています。
腕時計に初めて使用されたのは1970年のこと。国産時計メーカーのシチズンが世界で初めてチタンを使用した腕時計を発売しました。その後、1980年にIWCと技術提携を結んだポルシェデザインからチタニウム クロノグラフが発売されています。
チタンは加工技術を要することから、腕時計の素材としての製品化が難しい金属でした。しかし、加工技術の進歩や、チタンならではの素材の優位性から、現在ではそのシェアを拡大しはじめています。
ひと口にチタンといっても、配合されている成分によってグレードが分けられます。腕時計においては純チタンと呼ばれているグレード2、チタンの強度を高めたチタン合金のグレード5が主に使用されています。下記にそれぞれの特徴をまとめてみました。
■純チタン グレード2 | |
加工が難しく、素材の表面への仕上げが施しにくい。他の成分を配合していないため、価格は安い。 |
■チタン合金 グレード5 | |
加工が行いやすく、素材の表面への仕上げが施しやすい。バナジウム、アルミニウムなど他の成分を配合するため、価格は高い。 |
ひと時代前は純チタン素材が中心であったものの、近年はチタン合金を使用する時計メーカーが増えています。その理由としては複雑なデザインでも加工がしやすいうえに、高い強度も備えているためです。
ステンレススチール、ゴールドの各素材に比べ、少数派であるチタン時計。ここではそのチタン時計のメリットとデメリットについて解説していきましょう。
■チタン時計のメリット | |
他金属と比較し、超軽量。耐食性に優れているため錆びにくい。表面が酸化被膜で覆われていることから人体に優しい。 |
■チタン時計のデメリット | |
他の金属に比べ、加工が難しい。精製に技術と時間を要するためコストがかさみ、時計の価格も高価になりやすい。チタン特有の色合いと、表面への加工が難しいことから使用される時計が限定される。 |
チタンのメリットに含まれるのが優れた耐食性です。その特徴からダイバーズ時計に最も適した素材といわれています。海水を真水に処理する海水淡水化プラントはチタン素材を使用していることからも、耐食性に優れていることがわかります。
ダイバーズウォッチは高い防水性を要するため、時計本体が大型になりがちです。そこで、チタンのもう1つのメリットでもある“とても軽い”ことが生きてくるのです。大型な時計であっても、軽量なチタンを採用することで、腕元の負担を軽減させてくれます。
その一方で、加工技術の価格がそのままコストとなって上乗せされることや、表面への加工が難しいことから、ドレスウォッチには不向きとされています。近年は表面加工が行える、グレード5チタンの登場により、チタン素材のドレスウォッチも登場しはじめています。
ここではチタン時計を生産する代表的なブランドをピックアップしてみました。ブランドによって、チタン時計の解釈はさまざまなことが分かるはずです。
ロレックスがチタン素材を市販モデルに採用したのは2008年の初代ディープシーが始まりです。ディープシーではケースバックの一部にグレード5のチタン「RLXチタン」を使用するのみに留まります。時計全体にチタンを使用したのは、2022年に発表されたディープシー チャレンジと、約14年もの時間を要しました。
満を持して登場したディープシー チャレンジはグレード5のチタンを採用。プロフェッショナルモデルであるため、表面は一部を除き、マットな仕上げが施されているのが特徴です。ケース幅50mmの大型モデルでありながら、チタンの恩恵でその大きさに似合わない軽さを実現しています。
対して、ロレックスのディフュージョンブランドであるチューダーでは2012年に、プロフェッショナルダイバーズとしてラインアップされたペラゴスからチタン素材を初採用。グレード2に該当する純チタンは、素材特有のガンメタルなカラーからも、ひと目でチタン製のダイバーズ時計であることが分かります。武骨な雰囲気はツールウォッチらしい雰囲気が漂います。
2023年にはヨットマスター 42にチタンモデルが発表されたばかり。今後、ロレックス&チューダーともにチタン時計のラインアップが増していくことが期待されています。
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オメガ シーマスターポラリス Ref.396.1022
オメガとチタンの関係は古く、1980年代にまで遡ります。当時の主力モデルとして大ヒットを博していたシーマスター ポラリスにチタン素材を採用後、ダイバーズモデルのダイバー300をはじめとするシーマスターシリーズ。近年ではスポーツシーンでの着用を想定したシーマスター アクアテラ ウルトラライトに採用されたことでも話題に上がりました。
そんなオメガが好んで使用するのがグレード5のチタンです。堅牢性、耐食性に優れる腕時計に適した素材であり、加工性においても優れています。そのため、表面にポリッシュ仕上げやブラッシュ(サテン)仕上げを施しているのが特徴です。
今回、ピックアップしたのはシーマスターシリーズの歴史において欠かすことが出来ない傑作モデルでもある、シーマスター プロプロフ 1200Mです。1970年に誕生した、フランス語でプロフェッショナルダイバーを意味するPlongeur Professionnelからプロプロフとネーミングされたダイバーズモデルは600mの防水性を備えていました。
2時の位置に回転ベゼルをロックするセキュリティ プッシャーが備わる特徴的なデザインは、現在においても唯一無二のデザインといえるでしょう。当時のデザインを継承し、2016年に復刻を果たしたプロプロフにはチタン素材が新たに採用されています。驚くのがシャークプルーフと呼ばれているメッシュのブレスレットです。
細かい網目が特徴のメッシュブレスレットもオールチタンで組み立てられており、オメガの秀逸な加工技術が垣間見られます。
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ポルシェデザイン チタニウム クロノグラフ Ref.3704
IWCとポルシェデザインは1978年~1998年にかけて業務提携をしていました。当時、クオーツショックでスイス時計は壊滅的な打撃を被り、多くの老舗時計メーカーが倒産をしています。IWCも倒産危機に直面しており、ポルシェデザインとの業務提携により業績を再建していた時代です。
その業務提携によって誕生したのがオールチタン素材を使用したチタニウム クロノグラフです。ケースと一体化したクロノグラフボタンは当時としてはかなり斬新なデザインでした。そのノウハウを経て、ポルシェデザインの代表作ともいえるオーシャン2000が後に誕生します。当時からチタン素材の加工技術に長けていたIWCの技術が存分に生かされ、ポルシェデザインの製品はヒットを記録しました。
ポルシェデザイン オーシャン2000 ミリタリーBUND
オーシャン2000はそのネーミングからも分かる通り、当時としては驚異的な2000m防水のスペックを誇るプロフェッショナルダイバーズウォッチ。当時の西ドイツ海軍からの依頼によって、オーバースペックともいえる軍用時計を共同開発します。流麗なフォルムは現在においてもヴィンテージウォッチ市場で高い人気を誇ります。
IWC GSTパーペチュアル カレンダー クロノグラフ Ref.IW375603
業務提携の解消後、IWCはチタンモデルをラインアップに加えます。素材の頭文字をネーミングした「GST(ゴールド、ステンレス、チタンの意味)」シリーズをはじめ、アクアタイマー、インヂュニアと代表作にチタンモデルを投入させていきます。
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いかがでしたか?
今回はチタン腕時計の魅力をご紹介しました。軽量で、防水性に優れるチタンは腕時計に使用する素材として最適なことが分かっていただけたのではないでしょうか?
現在は一部の現在、チタン製の腕時計を生産しているのは一部のメーカーに限られていますが、今後さらに普及していくでしょう。
実用性に優れるチタン腕時計のすばらしさを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
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