サブマリーナーといえばロレックス、ひいてはダイバーズウォッチを代表するコレクション。その誕生は1953年とロレックスの人気モデルの中では比較的古く、歴史あるコレクションです。これまで幾多もモデルチェンジがなされてきたこともあり、いわゆるアンティークモデルには希少なモデルが数多く存在しています。今回はロレックスアンティークの代名詞ともいえる赤サブマリーナー、通称「赤サブ」に焦点を当ててみたいと思います！
1953年に誕生したロレックス サブマリーナーの歴史に初めて日付表示が備わったロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680は1965年に登場しました。それまでのサブマリーナー(当時の型番はRef.5513)は便宜上「ノンデイト」と呼称されるようになり、ロレックス サブマリーナーデイトとノンデイトとして併売されることになります。
生産時期は1965年から1980年ころで、後継モデルのロレックス サブマリーナーデイト Ref.16800(デイトモデルの2nd)にバトンタッチし生産を終えています。時計としてのスペックは自動巻きクロノメーターCal.1570を搭載し、後期モデルはりゅうずを引くと秒針が停止するハック機構が付加されています。
このCal.1570クロノメーターは、当時のロレックスの主力モデルであるロレックス エクスプローラー Ref.1016、ロレックス デイトジャスト Ref.1601にも搭載されていたもので、メンテナンス性、耐久性に優れた傑作ムーブメントでした。防水性能は200m、そして風防はプラスチックでしたが、次世代モデルのロレックス サブマリーナーデイト Ref.16800(デイトモデルの2nd)から、300m、そしてサファイアクリスタル風防が装備されることになります。
そして何を隠そうこのRef.1680の個体群の一部として存在するのが今回焦点を当てる赤サブです。文字盤表示の「SUBMARINER」のロゴが赤い色になることから赤サブと呼ばれるようになりました。
Ref. 1680の生産初期は「赤サブ」が生産されており、後年に白いロゴとなった説、赤白構わず併売されていた説などその生産時期には諸説あるようですが、2017年のバーゼルワールドで登場したシードゥエラー50周年記念モデルのロレックス シードゥエラー Ref.126600は赤ロゴのみでしたので、同じくロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680も登場当時は赤ロゴのみだったのかもしれません。
ロレックス シードゥエラー Ref.126600
シードゥエラー誕生50周年を記念して登場したRef.126600。3900m防水のシードゥエラー ディープシー Ref.126660を彷彿とさせるケース径43mmの大型サイズとなります。防水性は従来モデルと同様に1220m防水、シードゥエラー ディープシー Ref.126660との棲み分けがなされています
先述した通り、ロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680は耐久性に優れたムーブメントを備え、またプラスチック風防、インデックスにフチが付かない「フチ無しインデックス」の最終モデルのため、アンティークテイストの雰囲気が残る最後のモデルとして高い人気を誇ります。さらに当時のロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680は日常使用で使い込まれたモデルも多くあり、半世紀以上前の使い込まれた加工では出せない「味」があるのも魅力です。半世紀以上の歴史をたどった時計の魅力を存分に愉しむことができるモデルといっていいでしょう。
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生産期間が長かったロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680だけに、細かいマイナーチェンジが行われています。ブレスレットの変更、りゅうずの変更など明らかなものの他に、ロレックスならではともいえる細かいディテール変更が行われています。生産工場が異なることによる差異とも思われますが、これにも諸説あるようです。また経年変化によって出現したモデルもありますので、それぞれ順に紹介していきます。
「赤サブ」こと、ロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680には6種類の文字盤が存在しているといわれています。それぞれ6時位置にある防水表記とクロノメーター表記の記載が異なり、それぞれのモデルを見比べるとその違いがみえてきます。詳しく見ていきましょう。
1. 防水表記の違い
200m表記が先頭に入るものがマークI～マークIIIまでとなります。
通称「メーターファースト」と呼ばれ、ノンデイトの「Ref.5513」にも存在する最初期型となります。マークIVから660ft表記が先頭となり入れ替わります。
2. 「6」の違い
660ftの「6」がマークIとマークVIは隙間が開いていないのでクローズ6、対して隙間が開いているものがオープン6となります。
3. 「F」の違い
フィート表記の「F」が2種類あります。「F」の上の横棒が長いものはロングF、上と下の横棒が同じ長さのものがショートFとなります。
まとめると下記のように区分することができます。
マークI「200m=660ft」、「クローズ6」、「ロングF」
マークII「200m=660ft」、「オープン6」、「ロングF」
マークIII「200m=660ft」 、「オープン6」、「ショートF」
マークIV「660ft =200m」、「オープン6」、「ショートF」、クロノメーター表記のスペース広い
マークV「660ft =200m」、「オープン6」、「ショートF」、クロノメーター表記のスペース狭い
マークVI「660ft =200m」、「クローズ6」、「ロングF」
ここからは代表的な赤サブマリーナーのレアモデルをご紹介いたします。
最も初期に生産されたモデル「マークI」文字盤。6時位置にある表記が「200m=660ft」、「クローズ6」、「ロングF」となっています。
「マークII」文字盤。6時位置にある表記が、「6」がクローズとなっています。
「マークIV」文字盤。フィート表記が先頭になり、「6」がオープンとなります。最もよく見かける文字盤です。
「マークVI」文字盤。最終的には「6」がクローズとなりました。最も完成形の文字盤になるのでしょうね。
通常のロゴが白いサブマリーナーデイト。「赤サブ」と比較して「SUBMARINER」のロゴがひと回り大きくなりました。6時位置の表記を見ると、「マークVI」文字盤に近い組み合わせとなります。
この時代のロレックスによく見られる現象の1つが、経年変化によりブラック文字盤がブラウン文字盤に変色するもの。ブラウンの色味により価格は異なります。
いかがでしたか？
一口に赤サブといってもバリエーションはさまざま。アンティークモデルということもあり、各個体が世界に1つだけの味を醸し出しています。唯一無二の個体を所有することの出来る喜びは腕時計好きであれば一度は味わってみたいもの。これ以上数が増えることはないのでその希少性から資産価値も高いモデルばかりです。
当店ジャックロードでは赤サブを始めとしたロレックスアンティークモデルを数多く取り揃えております！こだわり派のあなたにはぜひともおすすめしたい逸品の数々、ぜひ一度お手に取ってみてはいかがでしょうか？
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